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CTIC(カトリック東京国際センター)の活動を支えてくださる皆様へ

2021年10月01日

平和がありますように

いつもCTICの活動にお心をよせて下さりありがとうございます。

9月の最後の日曜日はカトリック教会では「世界難民移住移動者の日」として、文化・国籍を超えて世界の人々と共に生きる決意を新たにする日となっています。この機会にあたり、わたしたちの活動を支えてくださる皆様に感謝を伝えたくお手紙させていただきました。皆様からの 色々な形でのご支援に心より感謝いたします。

毎年ローマ教皇は「世界難民移住移動者の日」のためにメッセージを出します。教皇フランシスコの今年のメッセージのテーマは「さらに広がる”わたしたち”へと向かって」というものでした。私たちとあの人たちという区別を超えて、すべての人が「わたしたち」として互いの問題や困難に関心を向け助け合うことができるようにと教皇は訴えています。多くの皆様が、コロナ禍で困っている人がいるだろうから、最近のニュースを見て外国の人が置かれている状況に心が痛んで、などとおっしゃってご支援を寄せてくださいました。まさに誰かの困難を他人事ではなく、ご自分のこととして、「あの人たち」の問題ではなく「わたしたち」の問題として受け取っていらっしゃるのだと感じました。私などは、職務として現在は支援の場におりますが、そうでなければ同じように関心を寄せ行動するだろうかと自問してみると全く自信がありません。誰に言われたわけではなく、何か出来ることをと、ご支援くださる方々がおられることに感動し、自分もそうした方々と共に頑張っていこうと、大きな励ましをいただいています。

新型コロナの感染で、わたしたちの社会は大きな打撃を受けています。皆様の中にも親しい人を亡くされた方がいらっしゃるかもしれません。そんな中、かすかですが希望の光と思えることもありました。国が在留資格のない外国籍の方も希望すればワクチン接種ができるように決めたことです。これはその人のためというよりも、感染は在留資格に関係なく広がるので社会を守るためです。それでも、今まで、本来はこの国に存在しない人として、住民票を与えられず、結果として健康保険その他の一切の公的サービスから締め出されてきた人たちを、実際にこの国に存在している人として接種券を発行したことは意義深いことと感じます。もちろんこれは緊急の一時的な対応として、問題が過ぎ去れば何ごともなかったかのように、もとにもどる可能性もあるでしょう。しかし、すべての人にかかわる苦難を体験したわたしたちの社会が、人間の尊厳は根本的には区別することができないという価値観を共有していく方向に進むことができればよいと希望しています。

CTICのささやかな活動は、困難を抱える方の問題を取り除くものではありません。しかし多くの皆様のご支援に支えられながら、スタッフたちは今できることを探りつつ励んでおります。今後ともCTICの活動にご協力いただければ幸いです。

日ごろのご支援にあらためてお礼申し上げます。

カトリック東京国際センター
所長 高木健次