Activity Report

CTIC第245号:多国籍の家族のための多国語による司牧 —母国語と日本語の両立—

わたしはCTICでラテンアメリカ関係の司牧(母国語でのミサや相談など)に携わっているが、母国語だけでは足りない。多国籍の家族に対する司牧では日本語と外国語の両方を使って関わる必要がある。

T教会で多国籍の結婚準備講座を依頼された。花嫁は英語、花婿は日本語。対訳の式次第を使って、自分で通訳をしながら準備した。本番は両国語。参加した友だちは新婚夫婦を「あなたたちは同意の言葉を、『Yes、Yes、はい、はい』と2回繰り返したから夫婦の絆が強い。」とからかった。

N教会でのポルトガル語のミサに初めて出たブラジル人はとまどった。

片言のポルトガル語をしゃべるスペイン人神父の話が通じにくい。実は日本語だったが、説教の後半はポルトガル語に切りかえた。「多国語のミサガイドの小冊子で助かった」と。

Y教会で前からスペイン語のミサに参加している信者は言った。「日本語が分かっても自分の言葉で祈れるのはありがたい」。神父は答えた、「でも、あなたの子どもはどう?」。子どもたちは日本で育ったし、教会に来ていないが……。

日本人の女性と結婚した外国人男性は小さな子を残して事故で亡くなった。その家族で彼だけがカトリック信徒で、彼の親戚が自国から来るので、葬儀をスペイン語でやってほしいと頼まれた。打ち合わせで分かったが、信者でない参加者が多く、日本語しか分らない方も少なくない。どうしようか。結局自分で通訳しながらやるしかない。分かりやすい式次第を作り、家族には慰め、信者でない人には福音宣教になるようにした。

T教会のスペイン語のミサでは、小さな子ども連れの3家族が同じ日に現れた。福音の後、子どもたちを祭壇の方に呼んで質問したが、その子たちは日本語で教育を受けていた。では日本語に切り替えようと、その日から私はスペイン語のミサでの説教を日本語とスペイン語でするようにした。

以上述べたケースは氷山の一角にすぎない。紙面の関係で省略するが、とにかく、ここで、「多国籍の家族のための多国語の司牧」の必要性を主張したい。

多国籍のミサと小教区との関係には4つの形式がある。

①外国人は日本語のミサに参加し、小教区の生活と活動の中で組み入れられている。
②外国語だけのミサの共同体が小教区と別に存在する。
③外国人の多い共同体では外国語でミサや秘跡の授与などが行われるが、小教区とのつながりを密接に保っている。
④多国籍の家族が参加する共同体で、ミサと司牧活動が母国語と日本語で行われるが、これは「他国籍家族のための多国語の司牧」と言えよう。

この4番目の形式を活かすためには、邦人と外国人の司牧者(司祭と男女の信徒奉仕者)がチームで関わるのが望ましい。これこそ多様性と一致が育つ道の一つではなかろうか。

J.マシア(CTIC・ Latin Pastoral Team)