Activity Report

CTIC通信第244号:5大陸のロザリオ

2021年01月20日

昨年、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、予定されていた東京オリンピック・パラリンピックは行われませんでした。大会期間中に東京教区でも、世界中からの訪問者たちを招き平和のための祈りの集い行うことになっていました。この集いはコロナ禍にあって形を変え、7月に麹町聖イグナチオ教会で菊地大司教の司式のもと実現しました。

集いの趣旨は世界中の新型コロナウイルス感染終息を願ってとなりました。一般の参加者が聖堂に集まることはできませんでしたが、ネットで配信されましたのでオンラインで参加された方もいらっしゃると思います。この時に登場したのが5大陸のロザリオです。ロザリオの各連の珠が、黄、青、白、赤、緑になっていて、それぞれがアジア、オセアニア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカの各大陸を表しているそうです。グアダルペ宣教会のマルコ神父様のご発案で、中央部分には東京2020の独自のロゴと、カテドラル構内のルルドのマリア像の写真が付いている特別なものです。教区ではオリンピック・パラリンピックで東京を訪れる人のために5千個を用意していたそうです。

このロザリオを、CTICに来所される方に紹介したところ、フィリピンの人々を中心に結構気に入ってくださいました。口コミなどのおかげで、CTICを通してだけで、現時点で約千個が皆さんの手に渡りました。フィリピンの人たちは、自分のためにも一つ持ち、友達にあげたり、コロナが終息して帰省できるようになった時のお土産用にしたりと、いくつもお求めになりました。

このことを通してフィリピンの人がロザリオとどのように親しんでいるのかに触れることができたように感じます。日本人でも長く信者をやっていれば、色々な機会にもらうこともあり、複数のロザリオを持っているでしょう。私もいくつか持っています。しかし、普段使うものは一つで、他のものは一つの場所にしまってあります。しかしフィリピン人信者は、いつでもどこでもすぐに祈ることが出来るように、各部屋、各バッグの中など色々な所にロザリオを置いておくことが珍しくないそうです。また、ロザリオは祈りを数えるためだけではなく、それを手にするだけで、いつでもどこでも神様を思い起こし、神様への信仰やロザリオでの祈り方を自分に伝えてくれた家族(多くの場合は母親)を思い起こすことができると話してくれた人もいました。

大きなスポーツイベントがなくても、日本の社会、そして教会にはすでに5大陸からの人々が集っています。私たちがロザリオのように互いにつながり、神様の恵みのしるしとなることができますように祈りたいと思います。 なお、5大陸のロザリオはあと3千個しか残っていないそうです。ご興味あるかたはお早めに教区本部にお問合せください。

高木健次 東京教区司祭