Activity Report

CTIC通信第296号:最後の仕事として

2026年03月31日

相談員 大迫こずえ

Aさんからの報告

両親が帰国を余儀なくされ、日本に一人残されたAさんの将来について、小教区の方から相談を受けた私たちは、「東京都介護福祉士等修学資金貸付事業」を利用して介護専門学校に進学することを勧めました。「介護福祉士」の国家資格を取得すれば在留資格が安定し、またこの貸付制度は、卒業後に定められた施設で5年間働けば返還が免除されるからです。
 
Aさんは介護の仕事に特別な関心があったわけではなく、専門学校での勉強や実習、介護施設でのアルバイトに追われる日々は決して楽ではなかったと思います。保証人になっていた私は、もし途中で挫折したらどれほどの返済が必要になるのかと案じたこともありました。それでも、幼い頃から通っていた小教区の皆さんに支えられ、励まされながら学び続けたAさんは、「介護福祉士」の国家試験に合格しました。現在は障がい者グループホームで働きながら両親に送金を続けており、まもなく修学資金の返還免除の日を迎えるとの報告が届きました。

Bさんの出発

アフリカの某国から陸上特待生として来日したBさんは、来日直後に足を負傷しました。一時帰国した祖国で内戦に巻き込まれ、再来日したものの元の学校には戻れず、都立定時制高校に進学しました。十六歳で一人暮らしはできないため、受け入れてくださる修道院を探し、支援者の寄付で生活を支えました。友人関係に悩み、体調を崩すこともありましたが、シスター方の根気強い見守りによって高校を卒業することができました。
 
その後、祖国の陸上部の先輩で、カナダに住む男性と再会し、結婚することになりました。祖国の家族と日本の支援者に祝福され、秋に小さな結婚式を挙げ、Bさんは間もなくカナダへ旅立つ予定です。

Cさんの進学

Cさんが小学校五年生の時、家族全員の在留資格が取り消され、祖国へ帰国しなければならなくなりました。祖国の言語を話せないCさんのため、両親は日本で学び続けることを望み、私たちはその方法を模索し、期限ぎりぎりに彼女を受け入れてくれるカトリック中学を見つけることができました。
しかし慣れない場所での寮生活や、長期休暇に知人宅を転々とする生活は大きな負担でした。高校二年の春、Cさんは「どんな犠牲を払っても、両親と暮らしたい」と、両親が移住している国へ向かいました。
日本を離れて三年半、新しい国でも努力を続けたCさんは高校を卒業し、大学の「日本語専門科」に合格しました。誇らしげに校舎の前に立つ写真が送られてきました。

最後の仕事

それぞれが未来へ向かって踏み出した新しい一歩を、相談ファイルに記すことが、定年退職を迎える私の最後の仕事の一つとなりました。これまでともに歩んでくださった多くの方々に、心から感謝申し上げます。長い間、本当にありがとうございました。(完)