Activity Report

CTIC通信第295号:入管訪問活動を振り返って

2026年03月03日

手に持っている花瓶は被収容者が収容施設の中で作ったもの。
帰国にあたって面会を続けたシスターにプレゼントされた
 
2011年から15年にわたってCTICスタッフとして活動されたシスター木口朋子さん(ベリス・メルセス宣教修道女会)が、この3月で退職されますので、シスター木口に今までの活動を振り返ってお話を伺いました。
 
高木 長い間ありがとうございました。シスターは主に出入国在留管理庁(入管)訪問を担当されてきましたが、どのような活動内容でしょうか。
 
木口 全国にいくつかある在留資格を持たない外国の方を収容する法務省の施設のうち、CTICでは品川と牛久の施設を訪問し被収容者と面会したり、必要な物を差し入れたりします。また、施設の処遇改善のために、この分野で活動するさまざまな人と一緒に、当局との交渉の場に同席したこともありました。
 
高木 入管訪問で心がけられたことはありますか。
 
木口 カトリック教会の活動であるCTICとして入管を訪問することの意義を確認するようにしました。被収容者の方からリクエストされる物の差し入れも、もちろん可能な範囲でしますが、面会を中心と考えるようにしました。そして面会では、人間の尊厳を大切にするというキリスト教の根本価値を常に頭に置きながら、一人ひとりと関わるようにしました。入管という希望の閉ざされた環境で、よりポジティブに生きることができるように、また自分の将来についてどう決断していくのかを考えるための同伴者として傾聴するようにしました。
 
高木 信仰者として、他の人に同伴する一つの形として、入管での面会もあるということでしょうか。
 
木口 もちろんそれだけではなく、お話の内容によっては、支援者のネットワークで弁護士や医師におつなぎすることもありました。
 
高木 ネットワークという点では、地道な活動を通して、シスターが多くの支援者の方々とつながり、信頼されているという印象を受けました。
 
木口 信頼されているかは分かりませんが、いろいろな支援者の方々、個人、グループ、教会関係、弁護士、医師、こういった方々と収容施設の待合室で知り合いになり、自然に情報交換を行うことができるようになった面はあります。
 
高木 入管訪問で特にご苦労されたことは何かありますか。
 
木口 特にといってよいか、正義感の強いボランティアの方々が、収容施設のさまざまな非人道的な現実に憤慨し、今すぐの改善を私たちのほうに迫ってくることがあり、その対応に苦労したことが記憶に残っています。
 
高木 最後に、今の教会について感じておられることをお話しいただけますか。
 
木口 教会が外国人問題や、他の政治的・社会的問題に関心を持ち、キリスト者としてどのような立場に立ち、どう行動していくかを考えるのは、とても大事なことだと思います。ただ、そのためには、マスコミで大声で述べていることだけを鵜呑みにするのではなく、できるだけ事実を知ることが重要だと感じます。大きな声に同調してしまうと、本当の支援からそれてしまう危険性があると思います。
 
高木 シスターのご指摘を大切に、CTICが活動を続けられたらと思います。CTICは離れても、これからも東京教区の仲間としてよろしくお願いします。ありがとうございました。
 
 
木口朋子(ベリス・メルセス宣教修道女会・CTICスタッフ)
聞き手:高木健次(東京教区司祭・CTIC担当)