活動報告 Activity Report
CTIC通信第290号:CTICの昼休み 怖い話
2025年08月04日
お昼の12時、お告げの祈りの後、ランチタイムが始まります。持参のお弁当を食べながら、パプアニューギニア出身のボランティアさんが大好きな吉本新喜劇の話で盛り上がることもあれば、週末に訪問した教会の話、時には持ち込まれた相談の重たい話題になることもあります。
とある7月の真夏日、「怖い話」が話題になりました。朝の情報番組で「令和のホラーブーム」が取り挙げられていたからです。最近のお化け屋敷は、訪れた人が物語の登場人物になったような感覚で、恐怖を体験する参加型の仕掛けが特徴だそうです。
その話を聞いたフィリピン人スタッフが、日本で初めて経験した教会学校の「きもだめし」の話をはじめました。それはある修道会の山の中にある墓地で行われ、敷地の真ん中にある大きな十字架がゴールでした。その十字架上の等身大のイエス様が、暗闇のなかでは本当の人間のように見え、彼女自身も怖かったのですが、何より怖がる子どもたちがかわいそうでならなかったこと、一緒に参加していた英国出身のお母さんは「これは虐待だ!」と抗議したとのことでした。
すると日本人のH神父が、学生時代に子どもたちを連れて行ったキャンプで驚かせる役割になり、子どもたちが来るまでの間、真っ暗な山の中の公衆トイレの個室や、池の土手の草むらに、一人で息をひそめて隠れていなければならなかった時間がどれほど怖かったかを語ってくれました。
「コスタリカにも怖い話はあるよ!」とコスタリカのシスター。夜遅くに出歩いていると「首のない神父様」に出会ったり、お酒を飲んで酔っ払っていると美女が現れ、フラフラ着いて行くと、その女性が突然馬に変わったりするのだそうです。コスタリカ版「雪女」でしょうか。コスタリカの「怖い話」は、恐怖心をあおって『夜遊びするな』、『お酒を飲み過ぎるな』と道徳指導的な役割があるようですね。
「怖い話じゃないけれど」とフィリピン人スタッフが話します。カトリック信仰がもたらされる以前からフィリピンでは森や山に、人間の目には見えない「精霊」のような、神秘的な存在が住んでいると言い伝えられているそうです。人々は他所の土地に入る時、それらを踏みつけたり、傷つけたりしないように、「タビ・タビ ポー」と遠慮がちに声を掛けます。それは、「お邪魔します」という意味で、「私たちはあなた方の土地を荒らすものではありません。あなた方に対して畏敬の念を抱いています。入ることをお許しください」という姿勢を示すためです。声をかけずに入り、それらを踏みつけると、痣ができたり、病気になったりするそうです。「禍は、お互いへの配慮のなさや、不必要に恐怖心を与える振る舞いによって生まれるのかもね」そんな会話で昼休みは終わりました。
最近は、お互いの机の前を通る時、すれ違う時、「タビ・タビ ポー」と、笑いながら言い合うのが、CTICのちょっとしたブームです。
相談員 大迫こずえ
