Activity Report

CTIC通信第279号:千葉県フィリピン人の集い

2024年07月05日

カトリック教会の多い国から日本にやって来た信徒が、自分の言語で聖書の学びや礼拝に参加できることや、同国人とのつながりができやすいということで、母国由来のカトリック以外の教派やカルト的な団体の方へ移ってしまうということは以前から言われています。特に、カトリック教会の数が少なく、教会へ行くだけで片道1時間以上かかるのが珍しくない千葉県においては、手近なところにカトリックでない別の集まりがあればそちらに行くということがしばしば見られるようです。実はこれはコロナ以前から言われていたことでもありますが、コロナ禍でのミサの中止や参加の制限がさらに影響したようです。もちろん、どのような信仰の団体に参加するかは個人の選択の自由ですが、その選択の理由が「日本ではカトリック教会が自分たちを愛してくれない」と感じた結果だとすれば、担当部署として、その人たちにも母なる教会にも、申し訳なさを感じずにはいられません。

こうした背景もあり、まずはCTICが最もつながっているフィリピンの方たちからということで、千葉県におけるフィリピン人信徒の方々の声に耳を傾け、現状をより把握し、CTICとして何ができるかを考える機会として、「サマ(共に)サンバ(祈る)サ チバ(千葉で)」と銘打って千葉県におけるフィリピン人信者の集いを、西千葉教会をお借りして6月1日に行いました。当日は70人余りが参加しアンドレア・レンボ補佐司教様司式のミサに始まり、昼食をはさんでそれぞれの地域ごとの現状や感じている必要な助けの分かち合いを活発に行いました。

途中、成田教会の若者たちのグループがダンスのパフォーマンスで会場を盛り上げてくれました。フィリピン人の集まりにおける若者といえば、日本で生まれ育ち、日本語を第一言語とする第二、第三世代の子たちを思い浮かべますが、今や、来日して長くて数年の技能実習生や留学生の方々のほうが多くなっており、そのような所にも状況の変化を痛感しました。

参加者から出てきた声としては、自分たちが所属する小教区に、よりコミットするためにも、英語など自分たちが理解できる言葉での説教やゆるしの秘跡、勉強会といった霊的支えを受ける機会が、それぞれの場で増えてほしいというものが目立ちました。もちろん参加者も希望が簡単に実現するわけではないことは理解したうえで、少なくともそれを表明する機会を持てたことを喜んでくださったように思います。

今後、挙げられた内容を吟味し、CTICとして具体的に何ができるかを、各教会の神父様や教区と相談していきたいと思います。最後に場所を提供してくださった西千葉教会の皆様に感謝いたします。

CTIC所長 高木健次