活動報告 Activity Report
CTIC 通信第278号:広島・津和野巡礼
2024年06月04日
私が初めて津和野の乙女峠まつりについて知ったのは2013年です。当時萩にいらしたフィリピン人のシスターが誘ってくれたのでした。その時以来、迫害下でも信仰を固く守った日本の殉教者を記念して祈る人々の一員となるというこの経験を他の人とも分かち合いたいと望んできました。乙女峠は、19世紀後半にこの地で殉教した人たちを記念しています。その中の一人、安太郎という若者はとても狭い牢屋に閉じ込められて死に追いやられたにも関わらず、信じられないほど幸せそうだったそうです。現在、マリア聖堂から少し離れたところに、牢に入れられた彼の像と、彼が牢に入れられている間に、毎晩彼を訪れて励ましたというマリア様の像を見ることができます。
CTICの英語司牧チームは5月2日から4日の日程で、広島・津和野の巡礼を行いました。4人のフィリピン人が参加し、呉教会のバート・カシアノ神父様が同行してくれました。巡礼は広島のカテドラルの平和記念聖堂から始まりました。十字架の道行の第4留までを記念聖堂で祈り、次の4留は三篠教会で、残りの留はイエズス会の長束修道院の丘で祈りました。この修道院は原爆の爆心地から4.5キロの場所にあり、被爆者たちを救護した場所として知られています。私たちも平和記念資料館を訪問し、原爆の後の心の痛む被害の状況を伝える展示を、祈りながら見て回りました。巡礼1日目の終わりはカテドラルの庭で夕の祈りをしました。
2日目はついに、津和野の乙女峠での式典に参加する日です。津和野町とカトリック教会が協力して行うこの行事には様々な所から人が集まってきていました。高齢で、もう峠までの行列に加われない地元の信者の方も、沿道でロザリオの祈りをして参加していました。正午から大分教区の森山信三司教様の司式によるミサが捧げられました。森山司教様もこの乙女峠まつりに初めて参加されたそうです。ミサには、広島司教の白浜満司教様はじめ30人以上の司祭団が共同司式し、約400人が参列しました。津和野教会の主任司祭である山根敏身神父様が乙女峠まつりの歴史と乙女峠マリア聖堂の建設に携わった人々について話してくださいました。ミサの後には各自がお弁当を分かち合って、参加者の中に家族的な雰囲気を感じることができました。
今回私たちの巡礼に参加した人たちは、皆、迫害に耐えて信仰を守った殉教者たちを記念する行事に参加することができて、大きなお恵みを感じました。そして毎年5月3日に行われる乙女峠まつりにもっと多くの信者が参加するようになればよいと希望しています。
エルリン・レゴンドン(CTICスタッフ)