活動報告 Activity Report
CTIC通信第274号:大司教様とベトナム人信者のミサ
2024年01月10日
近年、日本社会でも、教会でもベトナムの人々の存在感が増していることは、皆様も感じられていると思います。とはいえ、教会がすぐに現状に対応することは難しく、東京教区においては、ベトナム人司祭やベトナム語ができる司祭が、それぞれ任命された別の職務を持ちながら、自主的にベトナム人信者の司牧にあたっており、また、いくつかの小教区が場所の提供などで協力しています。しかし、たとえ正式の任命がなくても、実際に司牧にたずさわっている司祭たちが、互いに協力し、また教区との連携を保つ目的で、昨年からベトナム人司祭たち、そしてCTICから私も入れていただいた会合を数か月に一度持つようになりました。
その会合の中で、ベトナムの若者たちと菊地大司教様が共に捧げるミサを、という希望が出され、数か月の準備を経て12月3日にカテドラルで実現の運びとなりました。ベトナム人司祭たちは若者たちに関わる予定をよく把握しており、その日は、多くのベトナム人の若者が受験する日本語検定の日に当たっていることにすぐに気づき、少しでも参加しやすいようにと、教区の行事としては異例の17時からの開式となりました。ミサは、直前の11月24日に記念日(ベトナムの教会では祭日)があったばかりのベトナムの殉教者たち、聖アンデレ・ジュン・ラク司祭と同志殉教者のミサとして捧げられ、麹町、調布、習志野の各教会に集まるベトナム人の若者たちと、それぞれの場で司牧に携わっている司祭が準備しました。大司教様の司式ですので、ミサの言葉は日本語で、その他の聖書朗読、聖歌、主の祈りなどはベトナム語で行われました。700人余りの参加者による力強い聖歌や祈りがカテドラルに響きました。
大司教様は説教の中で、神様に創造された人間は、いのちの尊厳を守り、互いに助け合うために生きている。しかし、世界ではその反対のことが起こっている。殉教者は自らの十字架の死によって、逆説的にいのちの尊厳をあかししたが、わたしたちも勇気をもって福音宣教者として生きることができるようにと、祈りを呼びかけられました。
ミサ後には青年たちからの質問に大司教様が答える時間があり、その中で教区のベトナム人司牧の方針に関する質問も出され、大司教様はまずは司牧者間の連携の促進を図ると述べられました。最後は大司教様と若者たちの記念撮影大会となり、大司教様はかなり長時間にわたってそれぞれの参加者との撮影に応じてくださっていました。
ミサを準備した司牧者の一人であるゴ・クァン・ディン神父様(東京教区・習志野教会主任司祭)は、「今回のミサは、大司教様とベトナム人の青年たちが直接交流でき、大司教様が司牧の方針を語られるきっかけともなり、また司牧者たち同志や、司牧者と大司教様とのつながりを確認することができた点で、目的を達したと言えると思います。関口教会の天本神父様をはじめ、協力してくださった現地の方々に感謝します。」とコメントを寄せてくださいました。
CTIC所長 高木健次