Activity Report

CTIC通信第273号:感謝をこめて

2023年12月07日

今年一年の活動を振り返り、協力してくださったすべての皆さまにスタッフ一同心から感謝の気持ちで一杯です。

CTICの食料支援活動は、その方が難民であるかどうかを問わず、生活に困っている外国籍の方を対象にしていますが、このような方々は社会全体から見ると非常に少数派で目立たない存在です。このように、社会の中でなかなかその声が聞かれることのない人々の必要に共に耳を傾け、教区の皆さまとの協働のうちに行われる食糧支援活動は、シノドス的な教会の姿を表すものだと感じます。

今年、コロナ後に始まった新たな状況に対応するために、実に多くの方々がCTICの呼びかけに応えてくださいました。

まだコロナ禍だった昨年、食料支援の利用者は、ある程度日本の生活に慣れ、ラーメンやカレーも食べられるアジア諸国の方が大半を占め、お米さえあればなんとかなる状況でした。それがコロナ後になると、来日してまだ一年経たない方々が増え、そのほとんどが宗教上の理由から豚肉は食べず、お米を主食としない人も多いという状況に変わり、寒い冬を迎える前に防寒着や毛布も必要になることが予想されました。このような状況に対応するために、何回かに渡って支援の協力を広く呼びかける中で、実に多くの方々が行動を起こしてくださり、ご自分にできる形で協力してくださいました。一生懸命ハラル食品を探してくださった方々やそれまでのお米の支援からパスタ類にシフトしてくださった方々。こちらのリクエストに沿って食品や日用品、毛布などを集めてくださった小教区や修道会。また、北アフリカ諸国の食事事情をネットで調べて、思いがけないものを送ってきてくださった方もいました。

食料支援の現場にいると、皆さまの支援が具体的に一人ひとりの存在を支えていることを実感します。所持金がほぼ底をつきて不安に押しつぶされそうになっている人を力づけ、慣れない食事に体調を崩した人を回復させ、寒がる人の身体を温め、誰かの真心は暗い顔を笑顔にし、言葉の通じない国で頑張る力となっています。一人の人が受ける支援が誰か一人から届いたものではなく、実に多くの人の協働の結果であることに改めて驚かされます。

「ありがとう」と何度も日本語で感謝を表す人たちに、「これは教会からの寄付です」、「多くの方が寄付してくださったものなのです」と私たちは伝えています。遠い異国の地で自分を助けてくれたのは教会だったという驚きを、祖国の家族に話したという青年もいました。
助けを求める小さな声に共に耳を傾ける神の民として、活動を支えてくださる皆さまとの協働のうちにこれからも活動してゆけることを願っています。一年を通してご支援くださったすべての皆さまに心からの感謝をこめて。

食料支援担当・師イエズス修道女会
右田紋子

※尚、お陰様で衣類と毛布類は十分に集まり募集は終了させていただきました。ご協力ありがとうございました。