Activity Report

CTIC通信第267号:入学準備

2023年05月02日

いつもCTICの活動にご協力いただきありがとうございます。新入学の季節を迎え、今年は皆様から頂いた献金で、3人の子どもたちにランドセルを準備することができました。CTICの倉庫にも、以前ご寄付でいただいていたランドセルがしまってあったのですが、小学生の荷物が増え、教科書やプリントがA4サイズになったこともあり、最近のランドセルは大型化しているとのことで、今のサイズの物を新しく購入させていただきました。今までも、そしてこれからも何かと我慢しなければならないことが多いであろう子どもたちですが、せめて入学の時には、他の子たちと同じように新しいランドセルで学校に送り出したいというスタッフの思いもありました。もちろん値段は十分に吟味いたしました。一人の子の手元にランドセルが届いたのは、入学式の前日でした。そのご家庭では、4月になればランドセルの値段が下がるのではないかと期待して待っていたのでした。たまたまにスタッフが家庭訪問した時にまだランドセルが準備できていないことを知り、ご両親と話し合って、CTICに頂いたご寄付で購入することになりました。

また別の子の場合、その子の入学準備についは、前もってお母さんとCTICスタッフが相談しており、ランドセルその他、こちらで準備させてもらうものを決めていました。ところがそのご家庭には上の子もいて、その子の入学の時には、まだCTICとつながる前でしたので、知り合いからもらったお古のランドセルで入学し、今も使っているということで、お母さんはとしては、その子の分の新しいランドセルもご希望でした。ある程度学年の進んだ子が新学期から新品のランドセルを持って登校すれば、周りから変な目でみられて、その子が学校でつらい思いをするのかもしれないということまでお母さんはお気づきではないのでした。そこまで周りの目を気にしなければならない日本社会はおかしいというのは簡単です。しかし子どもたちは学校に行けばその中で、一人で生き抜かなければならないのが現実です。できるだけ危険は避けなければなりません。そこで上の子には、新しいランドセルの分のお金で、代わりに何か本人が欲しいものを買ってあげるということで、ある一日、スタッフのシスターが母子と一緒に、あちらの近所のショッピングセンターにお買い物に行きました。

すると、上の子が真っ先に希望したのが、新学期から全校生徒が被ることになった学校指定の帽子と音楽の時間に使う笛だったということです。子どもながらに、あるいは子どもだからこそかもしれませんが、学校で使う物が準備できていないことを気にしていたのだと思うと、胸が痛みます。その子のためには、必需品の他に新しい靴を買うことができました。

子どもたちが学校生活を無事に、できれば楽しく過ごせるようにと願うばかりです。

先月号でお願い致しました、入管収容施設にいる方々のための靴の募集ですが、おかげさまで目標の数を頂くことができました。本当にありがとうございました。

CTIC所長 高木健次

 

子どもたちの笑顔が守られますように(写真は本文とは関係ありません)