活動報告 Activity Report
CTIC通信第255号:支援は教会を駆け巡る
2022年03月07日
ハヤトウリと大根
12月の寒い朝。小平教会の小池神父様が、立派な葉っぱ付きの大根30本とハヤトウリ1箱をCTIC事務所に届けてくださいました。小平教会の信者さんが神父様に持って来てくださったものだそうです。ハヤトウリはベトナム人が大好きな野菜なので「こんなのあるよ」と江戸川区葛西教会のベトナム支援グループに写真を送ったところ、「これはベトナム人の野菜です」とコミュニティーが大反応!
大根とハヤトウリ
すると葛西教会の信者さんが「私が運びましょう」と申し出てくれ、大根とハヤトウリ一箱が昼過ぎには葛西教会に届けられました。その後、信徒の方々が徒歩や自転車で技能実習生や苦学している留学生らのお宅に配達。夜にはCTICにハヤトウリで作られた夕食の写真とお礼のメッセージが届きました。12時間の間に東京の端から端へ、日本人の畑からベトナム人のお腹の中に、大根とハヤトウリが大移動した1日でした。
ベトナム料理
翌日、大根はベトナムのナマス(バインミーに入っているあのナマスです)になり、クリスマスの日にベトナムの方々に配られました。小平教会の小池神父様にも宅配便で届けられました。
電気毛布と防寒グッズ
東北地方でも寒くて有名な久慈市に来たばかりのベトナム人実習生の女性が、東京にいる彼氏T君に「寒くて眠れない」と泣きながら助けを求めました。T君は大切な彼女の一大事にパニックになり、自分の通う東京のカトリック教会の通訳さんに助けを求めました。「彼女を助けて!」と。通訳さんは久慈市を知るはずもなく、しかし、T君のあわて様に何かせずにはいられなくなり、CTICに相談しました。久慈市のことは全くわからないCTICスタッフは、少し前に別件でお世話になった仙台教区の佐藤神父様のことを思い出し、久慈市に知り合いがいないかと問い合わせをしたところ、なんということでしょう! 佐藤神父様の前任地が久慈教会で、久慈では信者さんたちと共に実習生支援を行っていたのでした。佐藤神父様はすぐに久慈教会の信者さんに連絡を取り、彼女の窮状を伝えてくださいました。彼女がT君に助けを求めてから24時間も経たない翌日の夜の7時、真冬の久慈教会の前で、彼女は電気毛布とたくさんの防寒グッズを受け取ることができました。
あたたかい布団
千葉県成田市の外れ、人の往来のあまりない場所にも「寒くて眠れない」実習生がいました。経済的に余裕のない生活を送っている技能実習生は、支給されるもの以外に自分のために余分な寝具を購入することはできません。その日のうちにCTICが届けることが困難だったため、彼の住む場所に一番近い成田教会の泉神父様に相談しました。泉神父様は翌日の堅信式の準備で忙しくしていたにも関わらず、兼任している佐原教会にある「あたたかい布団」のことを思い出して取りに行き、夜遅くに実習生の働く工場裏の寮にまで届けてくださいました。実習生はその日のうちに「あたたかい布団」が届いたことだけでなく、「祖国では神父様がこんな不便な場所にまで夜に布団を持って来てくれるなんて考えられない」と声を詰まらせていました。 カトリック教会の中を、今日も善意の支援が駆け巡っています。
大迫こずえ