Activity Report

CTIC通信第251号:ゴーヤプロジェクトの実り

2021年10月01日

今回は6月号でお知らせしたゴーヤプロジェクトの実りについてお伝えしたいと思います。

まず、参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。育てていただいたゴーヤは、7月から9月にかけて食料支援を受けに来られた方々にお渡しすることができました。「ゴーヤを食べますか?」と聞くと、ミャンマーやネパールの方からは「食べる!」、「大好き」という声が多く返ってきました。一方、イランやアフリカの方となると食べ方がわからないという方がほとんどでしたが、食料支援を受けに来る方のために作られたと知ってチャレンジしてくれた人もいました。またタイミングよくボーイスカウト東京港第5団の青年たちが育ててくれた野菜が届くこともあり、ゴーヤを食べない方にも心のこもった野菜をお渡しできることもありました。

このプロジェクトは、缶詰やレトルト食品だけでなく彼らが自分の国の味で調理できるように野菜もお渡しできたらという思いで始まりました。いくつかの教会、修道院、個人の方が参加してくださいましたが、育てていただいたゴーヤは食料支援という以上に心を伝え合うコミュニケーションの手段になってくれたのではないかと思います。渡す時に育てた方の写真を見せて説明すると様々な反応があり、皆喜んで作った方の真心を受け取ってくれました。また時には、とても小さかったり、すでにハリがなくやせ細っていても「だいじょうぶ! ありがとね」と受け取ってくれる彼らの人間的な温かさに触れる機会でもありました。

ゴーヤから生まれる小さな会話にはいつも笑顔が生まれ、互いの距離を少し縮めてくれるものでした。1、2本のゴーヤでは一回の料理で終りでしょう。スーパーに行けば安く買い求めることもできます。でも祈りを込めて育てていただいたゴーヤは、様々な労苦を担いつつ、この社会に生きる人々に「あなたが大切な存在であり、共に生きる仲間であること」を伝える具体的な言葉であったような気がします。ゴーヤを育ててくださった方々を始め、私たちが今までより少しだけ助けを必要としている外国籍の方の存在を身近に感じられたら、それはゴーヤプロジェクトの一番の実りではないでしょうか。

右田紋子(師イエズス修道女会・CTICスタッフ)

 

お礼とお詫び  

前号で食料支援へのご協力をお願いしましたところ、個人、教会、修道会など、多くの皆様からご寄付をいただき、ゴーヤプロジェクトへのご協力ともどもありがとうございました。仮放免中(就労が許可されない)の人をはじめ、なお多くの方が支援を必要としている状況でございます。引き続きご支援いただけましたら幸いです。なお、前号でCTICの問い合わせ電話番号が間違っておりご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。今後ともよろしくお願いします。

高木健次(東京教区司祭・CTIC所長)

CTIC問合せ

電話:03-5759-1061
E-mail: info@ctic.jp