What is CTIC

CTICについて

ご挨拶

私たちは、常に旅をする存在です。仮に一つのところにとどまって生活していたとしても、私たちは旅をしています。それは、人間は時の流れのある一点にとどまり続けることができないという事実があるからです。少なくとも時の流れの中で、私たちは旅を続けているのです。ですから、私たちすべては皆、「旅人」です。旅の形態は異なっていても、同じ「旅人」です。

激しくグローバル化する世界には、様々な「旅人」が存在しています。観光旅行に始まって、留学やビジネスや学術研究や医療など、人が移動し続ける理由は数限りなくあり、国境を越える旅も珍しいものではなくなりました。そしてそこには、自分が積極的には望まない理由で移動せざるを得なくなる人たちも多く存在しています。

教皇フランシスコは、様々な困難に直面する中で母国を離れ、移住する以外に選択肢がなかった人たちの、それぞれの心の悲しみと苦しみに目を向けられます。

2018年の「世界平和の日」にあたって発表された教皇様の平和メッセージのテーマは、「移住者と難民、それは平和を探し求める人々」でありました。ともすれば、移住者や難民の存在は、彼らを受け入れる地域の平和を乱す混乱の原因であるかのように見なされます。しかし教皇はそれをあえて、彼らは「平和を探し求める人々」なのだといわれます。

教皇フランシスコは、メッセージにおいて、聖ヨハネパウロ2世の言葉を引用してこう記します。

「もし、すべての人々が平和な世界という夢を分ち合い、また難民や移住者の貢献が正しく評価されるなら、人類はもっと世界的な家族となり、地球は本当の意味での共通の家となるでしょう」

難民だとか移住者についてニュースなどで耳にするとき、私たちは彼らの存在をどのように見ているのでしょう。その有り様が異なっているだけで、実は同じ「旅人」として私たちは仲間なのだという意識を持っているでしょうか。私がそうであるように、そこには一人一人の大切な存在があり、一人一人のユニークな歴史と物語があり、一人一人の喜びと希望、苦悩と不安が存在します。

教会は、すべての「旅人」と歩みをともにしたいと願います。なぜなら、いのちの与え主である神は、すべての「旅人」に愛といつくしみの手をさしのべられているからです。

CTIC運営委員長
カトリック東京大司教区
菊地 功 大司教

 

団体概要

カトリック東京国際センター(CTIC)はカトリック東京大司教区の一部門です。国際化する社会の中にあって、東京教区が神の民の姿をふさわしく表しつつ、カトリックの信仰が要請する隣人援助の業を実行していくことができるように1990年に設立されました。